結婚相手の第一条件は“丈夫”

2011.06.06

農村に花嫁がなかなか来ないという。そのためよく、集団見合いというのが行なわれることがある。酪農家の青年も相手を求めている。酪農というのは、農業よりなお一層大変なことらしい。農業には農閑期があるけれど、酪農家は生き物相手なので、一年中、朝から晩まで、餌をやったり、餌になる草を刈り入れたり、乳を絞ったり、排泄物の始末もしなければならないという。しかし私のように山好きの人間は、町が嫌いなので、この頃のように、機械を多く利用できる農業なら、苦労もあろうけれど、収穫の喜びもあって、体力のあるひとには、やり甲斐のある仕事ではないかと思う。かつては嫁いびりなどという話がよくあったけれど、嫁不足から、来てくれるひとはお嫁さまさまで、大事にされるという。職場のように対人関係に悩むこともなく、大地相手の仕事は、誰に頭を下げることもなくて、自分と気のあった、自分をいたわってくれる男性と一緒に、空気のきれいなところで働くのは、労働過重にならない限り、適当な休養時間を設けることができる限り、都会のごみごみしたところで働くよりは、おもしろい気がする。酪農も、生き物はかわいいから、おもしろいのではないかしら。それも体力に自身のある場合に限ってだが。都会でも、農漁村で働く場合でも、体力があって、その上に骨惜しみしない人間でないと、結婚生活には耐えられないと思う。自分がやらなければならないと思ったら、すぐそれを実行に移すような心意気も必要である。都会と地方にかかわらず、何の職業でも、家庭の雑事でも、働くのが好きというひとと、なるべく面倒なことはしたくないというひととあるけれど、それは怠け心の有る無しというより、健康の問題ではないかしら。健康な人間であれば、やっぱりからだを動かして何かをやりたくなる。体力が伴わないと、やる気がないということになる。結婚の相手の条件は、男も女も、人柄のいいひと、思いやりのあるひとと並んで、からだの丈夫なひとを選んだ方がいいと思う。だから農家や酪農家は忙しいというけれど、その仕事にふさわしい女のひとも当然いるわけである。ただ知り合う機会がない。その集団見合いが成功して、都会の娘さんが農家や酪農家で円満に暮している例を見聞きすると嬉しい。