財務再保険の場合は、AAレンジ以上の格付けを持つ相手を見つければ、一時的には責任準備金の増強が果たせる。しかし、通常はその後一定期間の間で返済していくため、契約時をピークに支払い余力は低下していき、本質的な解決とはなりにくい。財務再保険は新規分野へ参入するときや、逆に一部の事業から撤退するときなどに使えば、経営戦略上、非常に有効なスキームとなる。ただ、日本では用途が責任準備金の積み増しに限られており、どうしても将来利益の先食いという色彩が強まってしまう。とはいえ、外資との提携のなかでこのスキームが使われる可能性は高いだろう。分子がダメならば、分母のリスク相当額を圧縮する手がある。大量に抱えている保有株式を売却できれば、価格変動リスクの抑制効果は非常に大きい。だが、現在のように株価が低迷しているなかで売却すれば、巨額の売却損を計上することとなるため、株式以外の有価証券や不動産の含み益、あるいは内部留保の取り崩しなど何らかの原資が必要だ。しかも、大手生命保険の株式売却は市場の話題となりやすく、ただでさえ軟調な株式相場を一段と下げることとなりかねない。貸付債権の売却という手も使われるだろうが、流動化できる債権はもともとリスクが小さいうえ、将来利益の先食いにしかならない。支払い余力も収益力も低い生命保険に残された道は、株式オプションなどデリバティブを活用して見かけだけを繕い、その後の事業環境の好転を待つ、あるいは外資との資本提携を模索するくらいしかないのかもしれない。