ソウル保育園の実践

2011.07.21

報告書には、アンチバイアス教育が観光的アプローチに陥らないように年間計画案のテーマに統合し実行した、そしてアンチバイアス教育の資料で取り扱われているのは、多民族国家を基本的な枠組とした理論と活動だったため、すべての保育士たちが研修を通じて理論を学んだ後、新しい単元をはじめる前にブレインストーミングを行い、計画を検討し、多様なアイデアを盛り込んだと書かれている。韓国では多くの幼稚園や保育園が主題活動として一定の期間、あるトピックを取り上げて活動している。しかし、ソウル保育園では、アンチバイアス教育をそのトピックのひとつとして取り上げるのではなく、保育活動全体をとおして、また、年問をとおして実践している点が興味深く、またそれは、アンチバイアス教育の趣旨をよく捉えている。1996年に私がアメリカで行った調査では、アンチバイアス教育は特定の活動の枠組のなかで行われるものではなく、日々の活動全般を通じてなされるものであるという説明を受けた。ソウル保育園のようにきっちりした耐画案を作成すること自体が、日々の活動で問題となることが起こったとき、それを捉えて、話し合いを中心としたアンチバイアス教育を展開するアメリカのやり方と異なる。しかし、「子どもの発話の記録」にみられるように、教え込むのではなく保育士と子どもとの言葉のやりとりで活動が進められているのは、アメリカのアンチバイアス教育の趣旨にかなうものである。ソウル保育園の実践では、日常生活と結びつけ、ツーリストアプローチに陥らないよう配慮が丁寧になされている。また、差異への気づきのため、あるいは、自己認識の形成ために、アメリカのアンチバイアス教育では鏡を使った活動を行っているが、ソウル保育園にも至るところに鏡が設置されていた。鏡はアンチバイアス教育を導入する前からあったが、同教育を導入後は積極的に使いはじめたという。また、ソウル保育園の実践では、家族を巻き込んで活動したり、障がいを取り上げたりしている点など、アメリカとの共通点が多くみられた。

[参考サイトのご紹介]
保育士・幼稚園教諭を目指すなら聖徳大学幼児教育専門学校
http://www.seitoku.jp/kttcsu/